海辺のカフカ


成毛眞さんのエピソード話に興味をいだいて本書を手に取ることに。
正直なところ、成毛さんほどの衝撃は受けなかった。
それでも大変おもしろい作品。
読後の感想。
おもしろかった。いづれ読みかえすことになりそう。
難解でおおくの疑問がのこったが、それでも肩すかしをくらった感はない。
なんというか、楽しい海外旅行から帰ってきた翌日の心境にちかいだろうか。
いつもとちがってフワフワした感じがするが、満ち足りて豊かな心境。
多分、宇宙旅行から帰還したときもこんな豊かな気持ちにつつまれているんじゃないだろうか。
先にふれたとおり、本書の内容には謎がおおい。
そのため、インターネットにたくさんの解釈や感想がアップされている。
すごい読解力の人って大勢いるなぁ、と脱帽。オモシロい。
小説としては謎解きのようなおもしろさがあるのも本作のいいところかな。
特長として、文章は平易だがストーリーの組み立てや立体感がすばらしい。次元が高い。
すごい小説家。
これから村上春樹作品を読むたのしみができて少しうれしい。
これまでは、世間でチヤホヤされている官能小説家くらいにしか思っていなかったので。
蛇足。数年前、香川県へ旅行に行きました。ジャンボフェリーに乗って。
香川駅前のビジネスホテルにつくと疲れがどっと出て、あまり外出せずに部屋でダラダラとテレビを観ていた。
ちょこっと電車にのったが、あまり遠くまで行かずにきびすを返したり。まったくこれといった楽しみのない旅行だった。
カイジ風の手厳しい表現をつかえば、「クソみてぇな旅行」。
ところが、主人公の家出先がくしくも香川県なので、このツマラナイ旅行経験が生きた!
一層、作品に没入できたのだ!
本当に余談だが。
関連リンク
主人公の少年は香川県の高松を家出先の定住地とする。本州から高松へ-お役立ちアクセス情報など