

カイジに善戦する村岡社長のポテンシャルが想定外でオモシロい。「賭博堕天録」
全13巻 完結 |
福本伸行 著 |
形式: kindle版 |
わたしはコミックも好きだ。
今回、定期的によみかえすカイジ作品を紹介したいとおもう。
本作品におけるカイジの対戦相手 (村岡社長)に、兵藤会長のような大物感はまったくない。
北斗の拳でたとえれば、会長はラオウ、今回の対戦相手はジャッカルといった格づけだろうか。
ところが、、竜虎相打つように対戦は非常に白熱。会長とのティッシュ箱・くじ引きギャンブルに勝るとも劣らないオモシロさ。
ストーリーは、「17歩」とよぶ二人麻雀のギャンブルに互いがいのちをけずるおはなしです。
あ、ちなみにこれ、「いちななふ」と読むんじゃないですよ。棋譜じゃないんで。棋譜なら、「1七歩」って書くのかな?
ただしい読みは、「じゅうななほ」です。一歩(いっぽ)、二歩(にほ)、三歩(さんぽ)の要領で。その17番目ってこと。
画像の第6巻から、それまでのぬる~い展開からガラリと変調する。
その変調の瞬間の描写が、、この作品独特で実に見事。わらける、、(でも、はじめてページをめくったときはドキッとして驚いた)
それでは、本作品の見せ場を。
有力な捨て牌がほとんどなくなり、何をきっていけばいいのか心理的に追い詰められる場面がカイジと社長のそれぞれにある。
そのときのふたりの心理描写にすごみがあってカッコイイ。
ふたりのセリフをすこしばかり引用してみよう。
まず、カイジ。第8巻の終盤。
「でも・・・・・・」「とはいえ・・・・」
「こいつらは ("發"と"中")もっと焦臭いっ・・・・・・!」「火薬そのもの・・・・・・!」
「まさに・・・・・・」「焚き火に爆薬・・・・!」
「わけのわからぬ選択・・・・・・・・・・・・・・・・!」
つぎに、社長の村岡。第11巻の序盤。
「二萬・四萬・五萬 どれも・・・・・・」「スッポリこの条件に填る・・・・!」「まさにど本命・・・・!」
~ 中略 ~
「マンズのイーペーコー待ちと比べても」「なんら見劣りしない」「Aクラスの危険牌・・・・!」
兵藤会長や一条との死闘に決して劣らない見ごたえ。「賭博堕天録」全13巻です。