現代将棋を読み解く7つの理論【書評】


藤井聡太の活躍に刺激をうけて、10年ちかくぶりに将棋本を購入した。
読んで内容に驚愕した。そしてよろこんだ。
なんと、「固い、攻めてる、切れなーい!」が勝利の方程式ではなくなっているのだ。
固さこそ正義と刷り込まれていたヒトにとっては衝撃的な将棋界の変貌ぶり。
10年ちかく将棋から遠ざかっていたファンにこそ、おすすめしたい本。
しばらく将棋から遠ざかっているファンにこそ読んでほしい。
最近、また将棋がおもしろくなってきたのは、藤井聡太の活躍だけが理由ではなさそうだ。

本書は、○○理論やら、△△理論やらと章立てしているが、決して堅苦しい内容ではない。文章もよどみ少なく読みやすい。10年近く将棋から遠ざかっていた人が、そのブランクの間の将棋界の変貌を短時間で知るのにうってつけの内容。
取り上げている実戦図も、興味をひかれる題材ぞろい。現代将棋の申し子のためか、藤井聡太の図が多く採用されている。
棋士にひいきもなく、例えば全盛期を過ぎたと思われる鈴木大介八段の振り飛車が豊島竜王の居飛車穴熊を木っ端みじんにしたり、一度奨励会を退会してからプロになった苦労人の今泉四段が天才の藤井と互角の序盤を演じる実戦例もあってバランスがとれている。
著者の造語に、「クリップ」という駒の連結パターンがある (美濃囲いの銀と金の連絡形)。この形が非常に良いらしい。なんでも将棋ソフトがこの"クリップ"を好んで作る傾向があることに著者が気付かれたそうだ。
そういえば、先日おこなわれた叡王戦の第4局
で豊島竜王が序盤にクリップを2つ作っていた。それが理由で藤井は見せ場すらつくれずに完敗してしまったのだろうか?
著者は元奨励会三段。
東西の将棋会館もともにあたらしくなるようなので、しばらく将棋から目が離せなくなりそうで嬉しいかぎり。
三択クイズ ※動作部分を制作中です
三間飛車の戦法のひとつ。左銀と右桂を早々に繰り出して居飛車穴熊の立ち上がりを強襲する戦法の名称は?
iPadをお持ちの方へ朗報
めっちゃおすすめの将棋アプリがあります。
アプリ名は、「将皇」。ものすごく操作しやすい。
コンピュータの一番つよいレベル5でアマ三段~四段くらいです。